日本のバスケ漫画というと、多数ありますが、その中でも『SLAM DUNK』や『黒子のバスケ』はあらゆる世代において、人気を博した漫画です。
しかも、年代は違えど、週刊少年ジャンプで掲載され、共に、原作の連載が終了してからも、映画化されるなど、その人気は決して衰えることはありませんでした。
今回は、『黒子のバスケ』を取り上げていきたいと思います。
そこで、『黒子のバスケ』のキャラクターのモデルとなったNBA選手は?という観点で、プレースタイルやテクニックから追っていきたいと思います。
まぁ、NBAも、見ようによっては、この作品と大いにリンクするような超人的なプレイがリアルタイムで飛び交っていますので、色々な視点からどんな選手がモデルになるのかを見ていきたいと思います。
<赤司征十郎>=クリス・ポール
ポイントガードとして、チームをレベルアップさせることができ、かつ、自らもオフェンシブにアタックすることもでき、かつ、常に、コート全体の状況、そして、敵味方含めた選手のポジショニングなどの把握ができる赤司は、エンペラーアイを駆使することで、相手の動きの先を読める能力を有します。
エンペラーアイに匹敵する力というと、やはり、ポイントガードとして最も重要なコートビジョンになります。
味方の選手の特徴や現在、コート上のどこにいるのか、何をしようとしているのか、それに対して、敵の選手は何を狙っているのか、個々人の性格やプレイスタイルを把握していることが求められるのが、ポイントガードです。
それでいて、状況によって、自らも得点できることは勿論のこと、その選手がいることで、チームがより機能することを含めると、クリス・ポール以外にいないでしょう。
今シーズン、サンズに加入しましたが、昨年のシーディングゲームでも若手の勢いを中心にライジングチームとなりました。
そこへ、ベテランのポールが加入したことで、若手選手の潜在能力を引き出し、今シーズンはウエスタンカンファレンス2位にまでチームを押し上げています。
<緑間 真太郎>=タイラー・ヒーロー
緑間が有する「オールレンジシュート」は、コート内ならどこからでもシュートが入る、シュート成功率100%の能力です。
それが例え、バックコートのリング下であっても、入ってしまうのですから、ディフェンスとしては止めようがないですよね。
そして、バスケをやったことがある人なら誰もが憧れるし、欲しい能力だと思います。
コート上全て、オールコートという観点では、現代のNBAのチーム戦略として、マブスやブレイザーズなどが先んじて、これまでのハーフコートバスケットを見直して、オールコートを対象にオフェンスを組み立てようという新たなトレンドが生まれつつあります。
それに伴って、NBAでは、「ディープスリー」が流行しています。
最たる例が、デイミアン・リラードやステフィン・カリーなどリーグを代表するシューター陣は一応に自身のシュートレンジを広げています。
その中でも緑間のモデルとして、タイラー・ヒーローを挙げたいと思います。
昨シーズンのプレイオフからファイルまでの中で、コートのどこからでも3ポイントを決められる強さがあり、しかも強心臓ぶりは見ていておかしくなるほどです。
今シーズンは若干マークが厳しくなっていて苦戦もしていますが、彼の3ポイント力は半端ないです。
<黄瀬 涼太>=レブロン・ジェームズ
黄瀬の能力は何といっても、どんな技でも自分のものにしてしまうコピー能力です。
また、その能力をストックしておけるというのも厄介ですね。
現実世界では、黄瀬のコピー能力は存在しませんので、コピー能力をオールラウンド能力に置き換えて考えていきたいと思います。
現在のNBAにおいて、最強のオールラウンダーはといえば、レブロン・ジェームズ以外にいないと思います。
単純にオールラウンドな能力を有しているとするならば、今のNBAでいえば、他にも沢山います。
しかし、ボールキャリー、シュート、パス、リバウンド、ディフェンスとどれをとっても完成形に達しているのは、レブロンです。
また、206㎝、113㎏と体格も申し分ない上に、ポジションレスの礎を築きました。
<青峰 大輝>=ヤニス・アデトクンポ
どんな態勢からでも必ずシュートを決めてしまう上に、人知を超えたスピードを誇り、その上、誰が来ても止められない程のアンストッパブルなスコアラーでもある、青峰です。
ハーフコートから3、4歩ステップしただけで、リングに届いてしますような規格外な選手こそが、「グリーク・フリーク」ことアデトクンポです。
ギリシャの怪物は、211㎝、110㎏とその体格似つかない程のスピードと強さを誇り、NBA選手であっても、アデトクンポがコースト・トゥ・コーストでもしようものなら、逃げたり避けたりしてしまう程の迫力です。
また、ダブルチームされても、プレッシャーをかけられても、簡単にシュートを決めてしまう事ができます。
<紫原 淳>=ルディ・ゴベア
相手にシュートを打たせることすら許さない、鉄壁のディフェンスを誇る紫原は、その恵まれた体格で、スリーポイントエリア内であれば、相手に得点を許さない選手です。
現在のNBAでは、ゴベアが相当しますかね。
今期はここまで、14.2点、13.1リバウンドを誇り、また、231㎝のウィングスパンで、ディフェンス面では従来通りのパフォーマンスを発揮しています。
近年では、ピック&ロールのフィニッシャーをはじめ、オフェンス面でもバリエーションが増えています。
ジャズが首位を快走している根底には、ゴベアのディフェンス面での活躍も大きな要因となっています。
<火神 大我>=アーロン・ゴードン
高校生にして、フリースローラインからのダンク、いわゆる、レーンアップを決められるなんて、『DEAR BOYS』の哀川和彦のようですが、実際には高校生でレーンアップ出来る人は中々以内と思います。
高い跳躍力も特徴の火神です。
昔のNBAと比べると、格段に体格もトレーニング方法も進化している現在のNBAにおいては、アーロン・ゴードンを推したいと思います。
類い稀な運動能力で、試合の中でも360°を決めたり、レーンアップとまではいかないまでも、驚異的な身体能力から繰り出されるダンクの数々は毎夜毎夜、ハイライトを飾る程の華麗なダンクを魅せてくれます。
<黒子 テツヤ>=リッキー・ルビオ
主人公でもある、黒子テツヤは、中学時代に、最強と称された、帝光中学バスケ部で「幻の6人目」として、「キセキの世代」を影から支えました。
能力である、「ミスディレクション」を使い、パス回しで味方を援護します。
「スペインの至宝」や「神童」とも称されたルビオは少年時代から絶大な人気を誇っていました。
北京オリンピックで、スペイン代表チームに召集されると、一気に注目を浴びる存在となります。
その後、満を持してNBA入りしますが、思っていたような活躍ができない、歯がゆい時期もありました。
それでも、ルビオが繰り出すマジックのようなパスの数々は、見ている人も敵も、時には味方すらみんなを惹きつけるパスを繰り出します。
まとめ
この作品は先述したように、ジャンプの連載作品ということ、バスケ漫画ということで、ここまでは、国民的人気作品で、同じジャンプ連載作品かつバスケ漫画という共通項で、『SLAM DUNK』と同じなのですが、一番の特徴としては、ジャンプ連載作品らしく非常に外連味が垣間見れるところです。
言ってみると、「普通の」というより、ちょっと「特殊」なと言っていいでしょう。
いわゆる、『ワンピース』のような能力者のような力を持ったキャラクターに占められています。
なので、現実世界では決して起きるがない非現実な部分も多分に取り入れた作品にもなっているわけです。
ここが、他のバスケ漫画と一線を画すところにもなります。
作者の藤巻忠俊さんは、この部分について、「作品のプレイ描写はあくまでも人間として不可能ではない範囲で描き、全体として、物理法則に矛盾がないように」ということを主眼に作品を描いたそうです。
以上のことから、あくまで、ベースとしては、普通のバスケ漫画とし、オリジナリティとして、ジャンプらしい作品のタッチを入れているというわけですね。